多民族・多文化共生の街づくりを学ぶ

北海道プログラム

北海道プログラムでは、アイヌ文化が息づく北海道白老町をフィールドとして、多民族・多文化共生のまちづくりを実地で学びます。見て・歩いて・調べて・聞き取って・体験して・考えて議論することを大切に、白老町のもつ魅力を、「地元学」を羅針盤にフィールドで「発掘」していきます。白老町では、2020年7月にアイヌ文化の発信拠点としては日本初となる国立博物館「民族共生象徴空間ウポポイ」がオープンしました。町の特徴である多様性を常に視野に入れ、「共生」について現場で「自分ごと」として考えることを重視しています。

発掘した町の「魅力」を町の方々と共有し語り合うことで、学生だけでなく、地域の人びとにとっても気づきがあるような、インタラクティブな(双方向の対話や意見交換を行う)学びのかたちを目指しています。アイヌやアイヌ文化についての学習も大きな割合を占めますが、そこに留まらず、多様性がどう街づくりに生かされているのか、というところまで踏み込んで実地で考えます。

スケジュールの例

事前研修

学内での座学、岐阜・大垣での事前合宿

  • 社会調査法(地元学)
  • 白老町を知る
  • 自分が住む町/故郷の魅力発見(個人プレゼン)
  • アイヌを知る
  • 「自分が住む町/故郷の魅力発見」事前合宿(2020年度は岐阜県岐阜市・大垣市)

実地研修

1日目
役場表敬、街歩き
2-5日目
街歩き、聞き取り調査、体験プログラム(ポロトの森歩き、アイヌ刺繍体験など)
6日目
エクスカーション(学生たちで観光ルートをつくる)
7日目
ウポポイ見学
8日目
フィールド調査のまとめ、プレゼン準備
9日目
地域の方を交えた成果報告会

事後研修

  • 実地研修振り返り
  • 大学での成果報告会
  • 合同祭でのポスター展示

事前研修

北海道プログラムの事前研修では、社会調査法の基礎、アイヌ民族の歴史と文化、白老町の概要などを演習形式で学びます。また、白老町からの外部講師によるオンライン講義や、実地研修で交流する北海道白老東高校の生徒たちと事前のオンライン交流などを行います。実地研修での調査に必要な基礎的な知識を習得するとともに、白老町での現地調査のイメージを膨らませて、白老東高校との合同調査が円滑に進むような工夫をしています。

事前準備授業の座学に真剣に取り組む様子

実地研修

実地研修では、2~3人のグループに分かれて、事前に設定した大まかな調査テーマをもとに、学生の興味関心に即した聞き取り調査とアクティビティを中心とした調査を展開します。過去には、コミュニティ自治やアイヌ民族と共生、公共交通、街づくりにおけるアートに重点を置いて調べたグループがありました。

白老東高校の生徒との合同調査も行っています。現地調査では、「ないものねだり」ではなく「あるものさがし」を重視します。最終日には白老町民に対する成果報告会を実施し、町民と公の場で意見交換を行います。

学生による聞き取りの様子(白老東高校との合同調査)

白老東高校生徒とのアイヌ料理の調理体験をしている様子

白老町の倶多楽(クッタラ)湖でのカヤック体験。白老プログラムには「楽しい!」アクティビティも満載

町民の前で実地研修の成果報告を行っている様子

事後研修

事後研修では、学科向け報告会での成果発表だけでなく、毎年10月末に行われる名古屋学芸大学との合同祭の場で、白老町で調査した内容をグループごとにポスターにまとめて発表します。事後研修での報告と発表によって現地調査で得た知見を東海地方の一般市民に還元し、学生は、現地調査の準備と実施(インプット)、成果発表(アウトプット)の一連の流れを体験することができます。多くの学生が、北海道プログラムでの経験を卒業研究等にも活かしています。

合同祭でのポスター発表の様子

過去の報告会資料・ポスター展示の例

2019年夏の事後報告会のためのプレゼンテーション資料。

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2019年夏の合同祭向けに作成したポスター資料。

資料を見る(PDF)